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- 7.5 Examples of natural transformations
- 7.6 Exponentials of categories
- 7.8 Monoidal categories
- 7.9 Equivalence of categories
- 7.10 Examples of equivalence
- 参考書籍
7.5 Examples of natural transformations
Exercise 9
任意の に対して は と表すことができます。
同様に任意の に対して は と表されます。
任意の集合 と任意の に対して が成り立つことを示せばよい。
任意の に対して
\begin{align*}
(f^{\ast\ast} \circ \eta_{A})(a) &= f^{\ast\ast} \left( \left\{ U \subseteq A \ \middle| \ a \in U \right\} \right) \\
&= \left\{ V \in \mathcal{P}(B) \ \middle| \ f^{\ast}(V) \in \left\{ U \subseteq A \ \middle| \ a \in U \right\} \right\} \\
&= \left\{ V \subseteq B \ \middle| \ a \in f^{-1}(V) \right\} \\
&= \left\{ V \subseteq B \ \middle| \ f(a) \in V \right\} \\
&= (\eta_{B} \circ f)(a)
\end{align*}
が成り立つので、 は natural transformation である。
7.6 Exponentials of categories
Proposition 7.13
書籍では、写像に対して片方の引数を固定した bifunctor を適用するとき のように記述されていますが、これは厳密には の意味であるということを確認しておきましょう。
を任意の と任意の に対して で定義する。また を任意の と任意の に対して で定義する。このとき bifunctor lemma より が functor となることを示す。
初めに を固定すると、任意の と任意の に対して 、 が成り立つ。よって が functor であることより は functor である。
次に を固定すると、任意の と任意の に対して が成り立つ。よって は functor の条件 (a) を満たす。
また が成り立つので は functor の条件 (b) を満たす。
任意の に対して が成り立つので は functor の条件 (c) を満たす。
が interchage law を満たすことは下の等しい diagram が可換になることと同値であるが、これは が natural transformation であることから自明である。
を任意の と任意の に対して、 で定義する。
このとき が natural transformation になることは、任意の と任意の に対して以下の diagram が可換になることと同値であるが、これは が functor であることより成り立つ。
次に が functor になることを示す。
上の議論より となるので は functor の条件 (a) を満たす。
次に であるから は functor の条件 (b) を満たす。
最後に が成り立つので は functor の条件 (c) を満たす。
最後に 、 が成り立つので が成り立つ。
任意の と任意の に対して が成り立つ。
また任意の に対して が成り立つ。
次に任意の に対して が成り立つ。
以上より が成り立つ。
7.8 Monoidal categories
Exercise 18
圏 が finite product を持つとき が monoidal category になることを証明します。
初めに を で定義します。また を で定義し、同様に を定義します。
このとき 、、 が natural isomorphism となることを証明します。
- 任意の に対して が isomorphism であること
を で定義する。
、
、
が成り立つので product の UMP より が成り立つ。
同様に
、
、
が成り立つので product の UMP より が成り立つ。
よって は isomorphism である。
- が natural transformation であること
任意の に対して以下の diagram が可換になればよい。
が成り立つので product の UMP より が成り立つ。
- 任意の に対して が isomorphism であること
terminal object への写像を で表すとすると以下の diagram より が成り立つ。
一方、 が成り立つので、以下の diagram は可換になる。
よって product の UMP より が成り立つ。以上より は isomorphism である。
- が natural transformation であること
任意の に対して が成り立つので、 は natural transformation である。
の場合も同様に証明できます。
次に2つの diagram が可換になることを証明します。3つ目の diagram は初めの2つの diagram の可換性から証明できるので省略します。
diagram に現れる に関して の定義より以下のことが成り立つことを確認しておきます。
\begin{align*}
\pi_{A} \circ \pi_{A \times B} \circ \pi_{(A \times B) \times C} \circ \alpha_{A \times BCD} \circ \alpha_{ABC \times D} &= \pi_{A} \circ \pi_{A \times B} \circ \left< \pi_{A \times B}, \pi_{C} \circ \pi_{C \times D} \right> \circ \alpha_{ABC \times D} \\
&= \pi_{A} \circ \pi_{A \times B} \circ \alpha_{ABC \times D} \\
&= \pi_{A} \left< \pi_{A}, \pi_{B} \circ \pi_{B \times (C \times D)} \right> \\
&= \pi_{A}
\end{align*}
\begin{align*}
\pi_{A} \circ \pi_{A \times B} \circ \pi_{(A \times B) \times C} \circ (\alpha_{ABC} \times 1_{D}) \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) &= \pi_{A} \circ \pi_{A \times B} \circ \alpha_{ABC} \circ \pi_{A \times (B \times C)} \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{A} \circ \left< \pi_{A}, \pi_{B \times C} \circ \pi_{(B \times C) \times D} \right> \circ (1 \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{A} \circ (1 \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{A}
\end{align*}
\begin{align*}
\pi_{B} \circ \pi_{A \times B} \circ \pi_{(A \times B) \times C} \circ \alpha_{A \times BCD} \circ \alpha_{ABC \times D} &= \pi_{B} \circ \pi_{A \times B} \circ \left< \pi_{A \times B}, \pi_{C} \circ \pi_{C \times D} \right> \circ \alpha_{ABC \times D} \\
&= \pi_{B} \circ \pi_{A \times B} \circ \alpha_{ABC \times D} \\
&= \pi_{B} \circ \left< \pi_{A}, \pi_{B} \circ \pi_{B \times (C \times D)} \right> \\
&= \pi_{B} \circ \pi_{B \times (C \times D)}
\end{align*}
\begin{align*}
\pi_{B} \circ \pi_{A \times B} \circ \pi_{(A \times B) \times C} \circ (\alpha_{ABC} \times 1_{D}) \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) &= \pi_{B} \circ \pi_{A \times B} \circ \alpha_{ABC} \circ \pi_{A \times (B \times C)} \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{B} \circ \pi_{B \times C} \circ \left< \pi_{A}, \pi_{B \times C} \circ \pi_{(B \times C) \times D} \right> \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{B} \circ \pi_{B \times C} \circ \pi_{(B \times C) \times D} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{B} \circ \pi_{B \times C} \circ \alpha_{BCD} \circ \pi_{B \times (C \times D)} \\
&= \pi_{B} \circ \pi_{B \times (C \times D)}
\end{align*}
\begin{align*}
\pi_{C} \circ \pi_{(A \times B) \times C} \circ \alpha_{A \times BCD} \circ \alpha_{ABC \times D} &= \pi_{C} \circ \left< \pi_{A \times B}, \pi_{C} \circ \pi_{C \times D} \right> \circ \alpha_{ABC \times D} \\
&= \pi_{C} \circ \pi_{C \times D} \circ \alpha_{ABC \times D} \\
&= \pi_{C} \circ \pi_{C \times D} \circ \pi_{B \times (C \times D)}
\end{align*}
\begin{align*}
\pi_{C} \circ \pi_{(A \times B) \times C} \circ (\alpha_{ABC} \times 1_{D}) \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) &= \pi_{C} \circ \alpha_{ABC} \circ \pi_{A \times (B \times C)} \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{C} \circ \pi_{B \times C} \circ \left< \pi_{A}, \pi_{B \times C} \circ \pi_{(B \times C) \times D} \right> \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{C} \circ \pi_{B \times C} \circ \pi_{(B \times C) \times D} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{C} \circ \pi_{B \times C} \circ \alpha_{BCD} \circ \pi_{B \times (C \times D)} \\
&= \pi_{C} \circ \pi_{C \times D} \circ \pi_{B \times (C \times D)}
\end{align*}
\begin{align*}
\pi_{D} \circ \alpha_{A \times BCD} \circ \alpha_{ABC \times D} &= \pi_{D} \circ \pi_{C \times D} \circ \alpha_{ABC \times D} \\
&= \pi_{D} \circ \pi_{C \times D} \circ \pi_{B \times (C \times D)}
\end{align*}
\begin{align*}
\pi_{D} \circ (\alpha_{ABC} \times 1_{D}) \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) &= \pi_{D} \circ \alpha_{AB \times CD} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{D} \circ \pi_{(B \times C) \times D} \circ (1_{A} \times \alpha_{BCD}) \\
&= \pi_{D} \circ \alpha_{BCD} \circ \pi_{B \times (C \times D)} \\
&= \pi_{D} \circ \pi_{C \times D} \circ \pi_{B \times (C \times D)}
\end{align*}
以上と product の UMP より が成り立つ。
から への projection を で表すと、
が成り立つので product の UMP より が成り立つ。
7.9 Equivalence of categories
Proposition 7.26
(2 implies 1) の証明の中で を定義するために、任意の に対して を選ぶ箇所で選択公理を仮定しています。
7.10 Examples of equivalence
Proposition 7.28
arrow を と表すことにします。すると における写像の結合は と表せます。
任意の に対して 、 が成り立つ。
、 が成り立つので、 が成り立つ。
また 、 が成り立つ。
書籍のように を定義すると、任意の に対して となるので、 は functor の条件 (a) を満たす。
次に であることに注意して、
\begin{equation}
F(1_{A})(x) = F \left( (A, 1_{A}) \right)(x) =
\begin{cases}
x & \text{if } x \in A \\
\ast & \text{otherwise}
\end{cases}
\end{equation}
これは と等しい。よって は functor の条件 (b) を満たす。
最後に任意の 、 に対して
\begin{equation}
F\left( (U_{g},g) \circ (U_{f}, f) \right)(x) =
\begin{cases}
(g \circ f)(x) & x \in f^{-1}(U_{g}) \\
\ast & \text{otherwise}
\end{cases}
\end{equation}
である。一方
\begin{align*}
\left( F\left( (U_{g}, g) \right) \circ F \left( (U_{f}, f) \right) \right)(x) &= F \left( (U_{g}, g) \right) \circ
\begin{cases}
f(x) & x \in U_{f} \\
\ast & \text{otherwise}
\end{cases} \\
&=
\begin{cases}
g \left( f(x) \right) & f(x) \in U_{g} = x \in f^{-1}(U_{g}) \\
\ast & \text{otherwise}
\end{cases}
\end{align*}
よって が成り立つので は functor の条件 (c) を満たす。
書籍のように を定義すると、任意の に対して となるので は functor の条件 (a) を満たす。
次に が成り立つので は functor の条件 (b) を満たす。
最後に任意の 、 に対して
が成り立つ。一方で
\begin{align*}
x \in A - (g \circ f)^{-1}(c) &\iff x \in A \land g\left( f(x) \right) \neq c \\
&\iff x \in A \land f(x) \in B - g^{-1}(c) \\
&\iff x \in f^{-1} \left( B - g^{-1}(c) \right)
\end{align*}
が成り立つので、 となり は functor の条件 (c) を満たす。
が成り立つ。
一方 となるが、 が成り立つので、 となる。よって が成り立つ。
任意の に対して を以下のように定義する。
\begin{equation}
\theta_{(A,a)}(x) =
\begin{cases}
x & x \neq a \\
\ast & x = a
\end{cases}
\end{equation}
- が isomorphism であること
が surjective であることは明らかである。
任意の に対して とする。まず とする。このとき とすると となり と矛盾する。 とすると となり は injective である。
次に とする。このとき とすると となり は injective である。 とすると となり と矛盾する。以上より は injective である。
- が natural であること
任意の に対して
\begin{equation}
(F \circ G)(f) =
\begin{cases}
f(x) & x \in A - f^{-1}(b) \\
\ast & \text{otherwise}
\end{cases}
\end{equation}
と表せる。
初めに が成り立つ。
次に任意の に対して 、 が成り立つ。
最後に任意の に対して が成り立つ。
以上より は natural isomorphism である。
Example 7.29
書籍のように で定義する。このとき、任意の に対して任意の を に対応させる constant map を とすると、 が成り立つ。
次に任意の に対して を次のように定義する。任意の に対して を満たす が coproduct の UMP よりただ一つ存在する。この と任意の に対して が成り立つ。一方 であるから coproduct の UMP より が成り立つ。そこで と定義する。
初めに、 となるので は functor の条件 (a) を満たす。
次に となるので は functor の条件 (b) を満たす。
最後に の定義より が成り立つ。一方で が成り立つ。よって coproduct の UMP より が成り立ち、 は functor の条件 (c) を満たす。
任意の に対して で定義する。また任意の と任意の に対して とする。すると より が成り立つので、 となる。そこで を で定義する。
が成り立つので は functor の条件 (a) を満たす。
次に が成り立つので は functor の条件 (b) を満たす。
最後に が成り立つので は functor の条件 (c) を満たす。
任意の に対して であることに注意する。
を任意の に対して で定義する。
任意の と任意の 、 に対して 、 が成り立つ。 は明らかに isomorphism であるから、 は natural isomorphism である。
任意の に対して であることに注意する。
を任意の に対して で定義する。このとき が成り立つのでこれは well-defined である。
次に を任意の に対して で定義すると、 が成り立つのでこれは well-defined である。
このとき明らかに かつ が成り立つので は isomorphism である。
任意の と任意の に対して 、 が成り立つ。よって は natural isomorphism である。
Lemma 7.33
lemma 7.33 は証明したかったのですが、私に Boolean Algebra に関する素養がないため証明できませんでした。
わかりやすい証明をご存知の方はコメント欄なので教えてください。
参考書籍
Category Theory (Oxford Logic Guides)
- 作者:Awodey, Steve
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: ペーパーバック
- 作者:スティーブ アウディ
- 発売日: 2015/09/19
- メディア: 単行本