Steve Awodey の Category Theory を読む : Chapter 2

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2.1 Epis and monos

Example 2.4

poset category  P において、任意の  p,q \in P_{0} 間の arrow は  p \leq q ならばただ一つ存在すると定義されました。

 Lemma
\[ \forall f \colon p \to q,\ f \text{ is both monic and epic.} \] Proof.

  •  f が monic であること。

任意の  g,h \colon r \to p に対して、 f \circ g = f \circ h \Rightarrow g = h を示せば良いが、 r から  p への arrow は定義よりただ一つに決まるので、 g = h が成り立つ。よって  f は monic である。

  •  f が epic であること。

任意の  g, h \colon q \to s に対して、 g \circ f = h \circ f \Rightarrow g = h を示せば良いが、 q から  s への arrow は定義よりただ一つに決まるので、 g = h が成り立つ。よって  f は epic である。

 \square

a function is epic iff surjective in  Sets

 Lemma
\[ \forall A,B \in Sets_{0},\ \forall f \colon A \to B,\ f \text{ is epic} \Rightarrow f \text{ is surjective.} \] Proof.
背理法により示す。 f が surjective ではないと仮定すると、 \exists b',\ \forall a \in A, \ f(a) \neq b' が成り立つ。一方、 A \neq \emptyset であるから、 \exists a' \in A が存在する。ここで function  g \colon B \to B を次のように定義する。
\[
g(b) = \begin{cases}
f(a') & b = b' \\
b & b \neq b' \\
\end{cases}
\]
明らかに  g \neq 1_{B} が成り立つ。任意の  a \in A に対して、 (g \circ f)(a) = g(f(a)) = f(a) = (1_{B} \circ f)(a) より  g \circ f = 1_{B} \circ f が成り立つが、 f が epic であるから  g = 1_{B} が成り立つ。これは  g \neq 1_{B} と矛盾する。よって  f は surjective である。

 \square

 Lemma
\[ \forall A,B \in Sets_{0},\ \forall f \colon A \to B,\ f \text{ is surjective} \Rightarrow f \text{ is epic.} \] Proof.
任意の  C \in Sets_{0} と任意の  g,h \colon B \to C に対して、 g \circ f = h \circ f \Rightarrow g = h を示せばよい。そのためには、任意の  b \in B に対して、 g(b) = h(b) を示せばよい。 f が surjective であることより、 \exists a,\ f(a) = b が成り立つので、 g(b) = g(f(a)) = (g \circ f)(a) = (h \circ f)(a) = h(f(a)) = h(b) が成り立つ。よって  f は epic である。

 \square

any epi into a projective object splits

diagram を描ければいいのですが難しそうなので、証明を読む際は手元で diagram を書きながら読んでください。
以下の証明では、任意の圏  \bf{C} において  P を projective object であるとします。

 Lemma
\[ \forall e \colon E \to P,\ e \text{ is epic} \Rightarrow e \text{ splits.} \] Proof.
 1_{P} e に対して、 P が projective であることより、 \exists \bar{1_{P}} \colon P \to E が存在して  e \circ \bar{1_{P}} = 1_{P} が成り立つ。よって  e は split epi である。

 \square

any retract of a projective object is projective

 Lemma
\[ \forall X' \in {\bf{C}}_{0},\ X' \text{is a restract of } P \Rightarrow X' \text{ is projective.} \] Proof.
任意の epic  e \colon E \to X と任意の  f \colon X' \to X に対して、 \exists \bar{f} \colon X' \to E,\ e \circ \bar{f} = f を示す。 X' P の rectact であることより、 \exists s \colon X' \to P,\ r \colon P \to X',\ r \circ s = 1_{X'} が成り立つ。一方、 P が projective であることより  (f \circ r) \colon P \to X e に対して、 \exists \overline{f \circ r} が存在して、 e \circ \overline{f \circ r} = f \circ r が成り立つ。 \bar{f} \bar{f} = \overline{f \circ r} \circ s で定義すると、 e \circ \overline{f \circ r} \circ s = f \circ r \circ s = f \circ 1_{X'} = f が成り立つ。よって  X' は projective である。

 \square

2.3 Generalized elements

ultrafilter  F に関する lemma

 Lemma
\[ F \text{ is an ultrafilter} \iff \forall b \in B,\ (b \in F \land \lnot b \notin F) \lor (b \notin F \land \lnot b \in F) \] Proof.

  • only if case

任意の  b に対して、 b \in F とする。 \lnot b \in F とすると、 F が filter であることより、 0 = b \land \lnot b \in F が成り立つ。よって  F = B となるが、これは  F が ultrafilter であることと矛盾する。
次に  b \notin F とする。このとき、 \lnot b \in F であることを背理示す。
 \lnot b \notin F であるとする。集合  F \cup \{b\} を考え、この集合から filter  F' を構成する。このとき  F \subsetneq F' が成り立つ。 \lnot b \in F' であるとすると、 \exists a \in F,\ a \land b \leq \lnot b が成り立つ。つまり、 a \land b = 0 が成り立つ。よって  a \leq \lnot b が成り立つが、 F が filter であることより  \lnot b \in F が成り立ち、これは  \lnot b \notin F と矛盾する。よって  \lnot b \notin F' が成り立ち、 F \subsetneq F' \subsetneq B が成り立つ。これは  F が maximal であることと矛盾する。よって  \lnot b \in F が成り立つ。

  • if case

 F が仮定を満たすような filter であるとき、 \forall F',\ F' \text{ is a filter} \land F \subsetneq F' \Rightarrow F' = B を示す。
 F \subsetneq F' より、 \exists b' \in F',\ b' \notin F が存在する。すると  F の仮定より、 \lnot b' \in F が成り立つ。 F \subsetneq F' より  \lnot b' \in F' であるから、 b' \in F' \land \lnot b' \in F' が成り立つ。 F' が filter であることより、 0 = b' \land \lnot b' \in F' である。よって  F' = B となるので、 F は maximal filter である。

 \square

Example 2.12

 Lemma
\[ \forall f,g \colon C \to D,\ f = g \iff \forall x \colon X \to C,\ f \circ x = g \circ x \] Proof.

  • only if case

 f = g より  f \circ x = g \circ x は明らかに成り立つ。

  • if case

仮定が成り立つとすると、 x として  1_{C} を取ると  f  = f \circ 1_{C} = g \circ 1_{C} = g が成り立つ。

 \square

2.5 Examples of products

3

 \bf{Cat} において、任意の圏  \bf{C}, \bf{D} の product  \bf{C} \times \bf{D} が存在することを示します。証明することがたくさんあるので一つずつ確認していきましょう。

 \bf{C} \times \bf{D} が圏であること

 Lemma
\[ {\bf{C}} \times {\bf{D}} \text{ is a category.} \] Proof.
 ({\bf{C}} \times {\bf{D}})_{0} = \left\{ (c,d)\ \middle| \ c \in {\bf{C}}_{0},\,d \in {\bf{D}}_{0} \right\} \text{Hom}_{\bf{C} \times \bf{D}}((c,d),(c',d') ) = \left\{ (f,g)\ \middle| \ f \in \text{Hom}_{\bf{C}}(c,c'),\, g \in \text{Hom}_{\bf{D}}(d,d') \right\} (f', g') \circ_{\bf{C} \times \bf{D}} (f,g) = (f' \circ_{\bf{C}} f, g' \circ_{\bf{D}} g) 1_{(c,d)} = (1_{c}, 1_{d}) {\bf{C}} \times {\bf{D}} を定義する。
すると圏  \bf{C}, \bf{D} の性質より、 \circ_{\bf{C} \times \bf{D}} 1_{(c,d)} が associativity と unit low を満たすことは明らかである。よって  \bf{C} \times \bf{D} は圏となる。

 \square

 \pi_{1}, \pi_{2} が functor であること

 Lemma
\[ \pi_{1} \colon {\bf{C} \times \bf{D}} \to {\bf{C}}, \pi_{2} \colon {\bf{C} \times \bf{D}} \to {\bf{D}} \text{ are functors.} \] Proof.
 \pi_{1} を 任意の  (c,d) \in ({\bf{C} \times \bf{D}}_{0}) と任意の  (f,g) \colon (c,d) \to (c',d') に対して、 \pi_{1_{0}}((c,d) ) = c \pi_{1_{1}}((f,g) ) = f で定義する。
すると、 \pi_{1_{1}}((f,g) \colon (c,d) \to (c',d') ) = f \colon c \to c' = f \colon \pi_{1_{0}}(c,d) \to \pi_{1_{0}}(c',d') が成り立つので、 \pi_{1} は functor の条件 (a) を満たす。
 \pi_{1_{1}}(1_{(c,d)}) = \pi_{1_{1}}((1_{c},1_{d}) ) = 1_{c} = 1_{\pi_{1_{0}}((c,d) )} が成り立つので、 \pi_{1} は functor の条件 (b) を満たす。
任意の  (f',g') \colon (c',d') \to (c'',d'') に対して、 \pi_{1_{1}}((f',g') \circ_{\bf{C} \times \bf{D}} (f,g) ) = \pi_{1_{1}}((f' \circ_{\bf{C}} f, g' \circ_{\bf{D}} g) ) = f' \circ_{\bf{C}} f = \pi_{1_{1}}((f',g') ) \circ_{\bf{C}} \pi_{1_{1}}((f, g) ) が成り立つので、 \pi_{1} は functor の条件 (c) を満たす。よって  \pi_{1} は functor である。
 \pi_{2} に関しても同様である。

 \square

 \bf{C} \times \bf{D} が product であること

 Lemma
\[ {\bf{C} \times \bf{D}} \text{ is a product of } {\bf{C}} \text{ and } {\bf{D}}. \] Proof.
任意の  \bf{X} と、任意の  F \colon {\bf{X}} \to {\bf{C}},G \colon {\bf{X}} \to {\bf{D}} に対して、 \left< F,G \right> \colon {\bf{X}} \to {\bf{C} \times \bf{D}} \left< F,G \right>_{0}(x) = (F_{0}(x), G_{0}(x) ) \left< F,G \right>_{1}(f) = (F_{1}(f), G_{1}(f) ) で定義する。
すると、
\[
\begin{align*}
\left< F,G \right>_{1}(f \colon x \to x') &= (F_{1}(f), G_{1}(f) ) \colon (F_{0}(x), G_{0}(x) ) \to (F_{0}(x'), G_{0}(x') ) \\
&= (F_{1}(f), G_{1}(f) ) \colon \left< F,G \right>_{0}(x) \to \left< F,G \right>_{0}(x')
\end{align*}
\]
が成り立つので、 \left< F,G \right> は functor の条件 (a) を満たす。
 \left< F,G \right>_{1}(1_{x}) = (F_{1}(1_{x}), G_{1}(1_{x}) ) = (1_{F_{0}(x)}, 1_{G_{0}(x)}) = 1_{\left< F,G \right>_{0}(x)} が成り立つので、 \left< F,G \right> は functor の条件 (b) を満たす。
任意の  f \colon x \to x', f' \colon x' \to x'' に対して、
\[
\begin{align*}
\left< F,G \right>_{1}(f' \circ_{\bf{X}} f) &= (F_{1}(f' \circ_{\bf{X}} f), G_{1}(f' \circ_{\bf{X}} f) ) \\
&= (F_{1}(f') \circ_{\bf{C}} F_{1}(f), G_{1}(f') \circ_{\bf{D}} G_{1}(f) ) \\
&= (F_{1}(f'), G_{1}(f') ) \circ_{\bf{C} \times \bf{D}} (F_{1}(f), G_{1}(f) ) \\
&= \left< F,G \right>_{1}(f') \circ_{\bf{C} \times \bf{D}} \left< F,G \right>_{1}(f)
\end{align*}
\]
が成り立つので、 \left< F,G \right> は functor の条件 (c) を満たす。よって  \left< F,G \right> は functor である。
このとき、 \pi_{1_{0}} \circ \left< F,G \right>_{0} = F_{0},\ \pi_{1_{1}} \circ \left< F,G \right>_{1} = F_{1} \pi_{2_{0}} \circ \left< F,G \right>_{0} = G_{0},\ \pi_{2_{1}} \circ \left< F,G \right>_{1} = G_{1} が成り立つので、diagram は可換となる。
また、任意の  H \colon X \to {\bf{C} \times \bf{D}} に対して、 H が diagram を可換とするなら、 H_{0}(x) = (F_{0}(x), G_{0}(x) ) H_{1}(f) = (F_{1}(f), G_{1}(f) ) が成り立つ。よって、 H = \left< F,G \right> となり diagram を可換とする functor はただ一つに決まる。
以上より、 \bf{C} \times \bf{D} \bf{C} \bf{D} の product である。

 \square

product of posets constructed in  \bf{Cat}

 \bf{Pos} の要素である poset それ自体を圏としてみた場合、poset 間の写像が functor であることと、monotone function であることは同一視できるのでした。よってここで確認するべきことは、先の product の定義が poset になるかどうかということです。
任意の poset  P Q に対して、 P \times Q (P \times Q)_{0} = \left\{ (p,q)\ \middle| \ p \in P,\, q \in Q \right\} \text{Hom}_{P \times Q}((p,q), (p',q') ) = \left\{ (f,g)\ \middle| \ f \in \text{Hom}_{P}(p,p'),\, q \in \text{Hom}_{Q}(q,q') \right\} で定義される。一方、Hom の定義は  (p,p') \leq (q,q') \iff p \leq p' \land q \leq q' と同値です。
このように  P \times Q に順序を入れた時に、 P \times Q が poset となることは  P Q がそれぞれ poset であることより明らかです。
よって、 \bf{Cat} において構成した product が  \bf{Pos} において product になることが確認できました。
 \bf{Mon} の場合も同様です。

2.6 Categories with products

 \times \colon \bf{C} \times \bf{C} \to \bf{C} is a functor

 Lemma
\[ \times \colon {\bf{C}} \times {\bf{C}} \to {\bf{C}} \text{ is a functor.} \] Proof.
任意の product  (A \times A', p_{1}, p_{2}),\,(B \times B', q_{1}, q_{2}) と 任意の  f \colon A \to B, f' \colon A' \to B' に対して、 \times \colon \bf{C} \times \bf{C} \to \bf{C} \times_{0}((A,A') ) = A \times A' \times_{1}((f, f') ) = f \times f' で定義する。
 \times_{1}((f,f') \colon (A,A') \to (B,B') ) = f \times f' \colon A \times A' \to B \times B' = f \times f' \colon \times_{0}((A,A') ) \to \times_{0}((B,B') ) が成り立つので、 \times は functor の条件 (a) を満たす。
次に、 \times_{1}((1_{A},1_{A'}) ) = 1_{A} \times 1_{A'} であるが、これは定義より  p_{1} \circ (1_{A} \times 1_{A'}) = 1_{A} \circ p_{1} p_{2} \circ (1_{A} \times 1_{A'}) = 1_{A'} \circ p_{2} を満たす。一方で  1_{A \times A'}
 p_{1} \circ 1_{A \times A'} = 1_{A} \circ p_{1} p_{2} \circ 1_{A \times A'} = 1_{A'} \circ p_{2} を満たす。よって、 A \times A' の UMP より、 1_{A} \times 1_{A'} = 1_{A \times A'} が成り立つので、 \times は functor の条件 (b) を満たす。
最後に、任意の product  (C \times C', r_{1}, r_{2}) g \colon B \to C, g' \colon B' \to C' に対して、 \times_{1}((g,g') \circ (f,f') ) = \times_{1}((g \circ f, g' \circ f') ) = (g \circ f) \times (g' \circ f') である。これは、定義より  r_{1} \circ ((g \circ f) \times (g' \circ f') ) = g \circ f \circ p_{1} r_{2} \circ ((g \circ f) \times (g' \circ f') ) = g' \circ f' \circ p_{2} を満たす。
一方で、 (g \times g') \circ (f \times f') に対して、
\[
\begin{align*}
r_{1} \circ ((g \times g') \circ (f \times f') ) &= (r_{1} \circ (g \times g') ) \circ (f \times f') \\
&= (g \circ q_{1}) \circ (f \times f') \\
&= g \circ (q_{1} \circ (f \times f') ) \\
&= g \circ f \circ p_{1}
\end{align*}
\]
が成り立ち、同様に  r_{2} \circ ((g \times g') \circ (f \times f') ) = g' \circ f' \circ p_{2} が成り立つ。よって  C \times C' の UMP より  (g \circ f) \times (g' \circ f') = (g \times g') \circ (f \times f') = \times_{1}((g,g') ) \circ \times_{1}((f,f') ) が成り立つ。よって  \times は functor の条件 (c) を満たす。

 \square

product of  I-indexed family of object  (X_{i})_{i \in I}

 \prod_{i \in I} X_{i} (\pi_{i} \colon \prod_{i \in I} X_{i} \to X_{i})_{i \in I} の組み  (\prod_{i \in I} X _{i}, (\pi_{i})_{i \in I}) (X_{i})_{i \in I} の product であるとは、任意の  Y と 任意の  (f_{i} \colon Y \to X_{i})_{i \in I} に対して、ただ一つの  f \colon Y \to \prod_{i \in I} X_{i} が存在して、任意の  i \in I に対して、 \pi_{i} \circ f = f_{i} が成り立つこととして定義されます。

参考書籍

Category Theory (Oxford Logic Guides)

Category Theory (Oxford Logic Guides)

圏論 原著第2版

圏論 原著第2版